大腸菌群

大腸菌群について

　大腸菌群は、グラム陰性の無芽胞性の桿菌で、48時間以内に乳糖を分解して、酸とガスの両方を生ずるすべての好気性または通性嫌気性の菌です。大腸菌群は、土壌、水、および動物の腸管など環境中に広く存在しています。大腸菌群の名称は、分類上はありませんが、食品衛生学的領域で用いられています。大腸菌群の大部分は腸内細菌科ですが、腸管内以外にも、土壌、沿岸海水など自然界に広く分布しており、例えばAeromonas, Citrobacter、Klebsiella、Escherichia、Enterobacter等が含まれます。

　大腸菌群に属する細菌は熱に弱く、加熱殺菌が適切に行われていれば死滅します。適切な製造管理が行なわれていれば検出されないことから、衛生状況を示す指標のひとつとして広く試験が行われています。大腸菌群が検出された場合には、加熱温度や加熱時間が適切ではない、加熱工程後に使用する機器・設備の洗浄殺菌不足、加熱工程後の製品管理に問題があることを示しています。

※ 参考文献：食品衛生検査指針微生物編改訂第2版 2018