測定関係
綿棒を濡らした時の水分量はどれくらいですか。
綿球を3秒位水道水に濡らした場合、その水分量は、100μL位になります。
ルシパックの綿棒をぬらす水は、水道水でよいでしょうか。
通常の水道水であれば大丈夫です。
(詳細はルシパック 取扱い説明書PDF〔測定方法〕をご覧ください)
綿棒を水以外の液体でぬらすと、正確な測定値が出ない場合がありますので、使用しないでください。
ルシパックを冷凍してしまいました。使用できますか。
本体の中の液体の部分が膨張してテープの部分がはがれて液が漏れる可能性があるので使用できません。
ATPふき取り検査(A3法)は、結果が出るまでにどのくらいの時間がかかりますか。
測定にかかる時間は、約10秒です。
検査箇所をふき取る時間をいれても、1検体約1分の作業で、結果を得ることができます。
どのくらいの面積をふき取ったらいいでしょうか。
平面であれば10cm×10cm四方をふき取りが基本です。
10cm×10cm四方が取れない場合は、それぞれの検査場所ごとに一貫したふき取り方を固定しておく必要があります。
ATPふき取り検査(A3法)で測れない汚れはありますか。
ATP+ADP+AMP量を測定しているシステムですので、ATPやADP、AMPを含まない汚れは、検査できません。しかし、菌が繁殖可能な環境には、栄養となるATPやADP、AMPが存在します。すなわち、ATP+ADP+AMP量が低い衛生的な環境では、菌汚染は進みません。
検査面をどのようにふき取ったらよいのでしょうか。
綿棒の位置を変えながら綿球全体を使い、横向き方向、縦向き方向にまんべんなくふき取ります。
手指の場合、利き手の手の平を横方向、縦方向とまんべんなくふき取り、続いて、爪の間、指の間をふき取ります。
洗剤、漂白剤などは測定値に影響がありますか。
あります。
洗剤、漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)、アルコール等の殺菌剤、消毒剤などが、ふき取り表面に残っていると測定値に影響があります。ふき取り検査は、洗浄後、殺菌前におこなうことが、基本です。
ATPふき取り検査(A3法)と菌数との相関はありますか。
相関はありません。
この基準値はあくまでも洗浄度の目安です。 ATPふき取り検査(A3法)は、菌だけでなく、菌の餌となる汚れ(ATP+ADP+AMP)を測定しています。
ルシパック の先を触ってしまいました。測定値に影響はありますか。
影響があります。
ルシパックの綿棒部分の先に手指が触れたり、唾が混入すると、作業者の持っているATP、ADP、AMPが、付いてしまい測定値が大きくなってしまいます。その場合は、新しいルシパックで、再度ふき取り測定してください。
ルシパック A3 シリーズはATP、ADP、AMPを単独で測定することはできますか?
ATP、ADP、AMPを単体で測定することはできません。 ルシパックA3シリーズは、ATP+ADP+AMP量の合計を測定します。 また、ルシパックPenシリーズは、ATP+AMP量の合計を測定します。 詳しくは【ATPふき取り検査(A3法)とは】をご参照ください。
ATPふき取り検査のATP値は、どのくらいの誤差がでますか。
AOAC PTM認証を取得したルシパックA3 Surfaceのデータにおいて、5つの食材で調製した4つの希釈液をステンレスの表面に処理をして、ふき取り検査を実施した場合、標準偏差(RSD)は約20%でした。また、表面の材質の違い、汚れの成分、汚れの乾燥度合等で回収率が悪く誤差が大きくなる場合があります。 バラツキをできるだけ抑えるために、綿棒でのふき取り方を一定にすることも大切です。
一度測定したルシパックを時間がたってから再度測定したら
最初と比べて低い値になりました。
最初に測定した値と、時間が経ってから測定した値のどちらを信じればよいですか。
ATPふき取り検査は、汚れの中に存在するATPと試薬が反応して生じる発光量を数値化しています。 この反応は時間の経過とともに減衰するため、数値は徐々に低くなっていきます。 試薬を溶かしたら、時間をあけずにルミテスターで測定してください。 【なぜATPを測定するの?】の中の「どうやって測定している?-ATPふき取り検査(A3法)の測定原理」では、 A3法の測定原理を説明していますのでご覧ください。
検査箇所を綿棒でふき取り後、何分以内に測定したらよいですか。
綿棒を本体に差し込んだ後は、直ちに測定してください。
時間をおいてしまうと発光量が減衰する為、数値は段々低くなります。やむをえず、直ちに測定できない場合は、綿棒を最後まで押し込まず、引き抜く前の位置に止めておき、測定時に綿棒を最後まで押し込んでください。この場合にも、数十分以内には測定してください。
ルシパック本体の下にある試薬が完全に溶けていないと測定できませんか。
測定できません。
溶け残りがあると測定に影響がでますので、完全に溶けたことを確認してから測定してください。
測定値が、基準値より大きい場合は、どうしたらよいですか。
この場合、次の作業が始まる前に再洗浄されねばならず、再洗浄の結果も測定されなければなりません。なぜ、「洗浄不良」であったかの原因を追究することがもっとも大切です。洗浄しても基準値を超えてしまう場合には、汚染の原因を突き止め、洗浄の仕方、部品の交換などの対策を取らなければなりません。
測定値が「0」になることは、ありますか。
キレイな水の場合測定値が「0」になることがあります。 その他、測定値が異常に低い場合の原因として以下のことが考えられます。
① 検査箇所に漂白剤など、試薬を阻害する物質が残っている
② 試薬が劣化している(吸湿など)
③ ルミテスターの動作不良(シャッター不良など)
④10℃以下の環境
検査箇所のふき取り面の温度は、測定に影響がありますか。
ATP、ADP、AMPは熱による影響はないため、ふき取り面の温度の影響はありません。
数値が普段より低い時は、何が影響していると考えられますか。
アルコール、洗剤、漂白剤等の阻害物の影響か、ルシパックを冷蔵庫から出して直後に測定した可能性があります。
検査で表示されたRLU値は、菌、何個に相当しますか。
ATPふき取り検査(A3法)では、汚れと菌由来のATP+ADP+AMPを同時に測定しているので、測定結果のRLUを菌数に置き換えることはできません。また、すべてが菌であったとしても、菌の種類・状態によって1菌あたりが、持っているATP+ADP+AMP量は異なるので、何個に相当するかを判断することはできません。