黄色ブドウ球菌について
黄色ブドウ球菌は、人や動物の感染症起因菌であると同時に食中毒菌でもあり、食品衛生上重要な病原細菌です。しかし、黄色ブドウ球菌はヒトを取り巻く環境や各種の哺乳動物、鳥類等に広く分布しており、特に、健康者の鼻、咽頭、腸管等に分布し、健康者の本菌保有率は20 ~30%であるとされています。
黄色ブドウ球菌は、食品中で増殖する時エンテロトキシンを産生するため、食品と共に摂取することによって起こる毒素型の食中毒菌です。エンテロトキシンは蛋白分解酵素や酸に強いため、消化管内でほとんど分解されずに吸収され、吐き気、嘔叶、腹痛などを引き起こします。更に、熱にも強いため100℃、30分の加熱でも不活化されません。そのため、エンテロトキシンに汚染された食品は「加熱したから大丈夫。食べられる。」ということにはならず、食中毒を引き起こします。
汚染されやすい食品、摂取形態
- 握り飯、いなり寿司、弁当、調理パン等の穀類を原料とした加工食品
- 手作業行程を経る食品
- 畜産物
汚染経路
- 作業者の手指や家畜の皮膚等から食品が黄色ブドウ球菌に汚染
- 調理器具を介して黄色ブドウ球菌に汚染された食品から他の食品が汚染
参考文献:https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/511-aureus.html
https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/risk_analysis/priority/pdf/161014_sa.pdf
一般的な黄色ブドウ球菌数測定フロー
※参考文献:食品衛生検査指針 微生物編 改訂第2版 2018
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